
創業したいけど、何から手をつければよいか分からない・・・
そんなあなたのために、創業の夢を具体的な計画へと具現化するためのステップを、便利なお役立ちツールを用いながらご説明します。
「なぜ創業したいのか」「創業してどうなりたいのか」を書いてみることで、創業への漠然とした憧れを、目標や動機づけとして明確化することができます。「自己実現をしたい」「お金持ちになりたい」などなど、人によって創業動機は様々ですが、人生を賭けられるだけの理由を見出すことができれば、創業後の成功への原動力となるはずです。
創業動機の自覚に便利!
活用ポイント
夢を大きく持つことと現実逃避を混同しないよう、自分が本当に本気になれる動機を探してください。その動機は、その後の経営理念や事業内容にも影響してくるでしょう。
創業は人生の一大転機であり、自身や家族の人生に大きな影響を与えます。また、勤め人の時と異なり、将来を見通すことが難しくなります。だからこそ、入念にライフプラン(人生設計)を練ることが大切です。年収や将来の出費を予測して、必要な収入額や創業資金積み立ての期間を検討することが必要です。
人生設計の検討に便利!
活用ポイント
結婚、出産、子供の就学などにかかる将来の出費をいかに具体的に予想できるかが重要です。 また、定期預金等記録が残る方法で創業資金をコツコツと積み立てることで、創業融資を受ける場合の信用に繋がります。
創業には、成功の可能性の対価として、自分や家族の人生に対して大きなリスクが伴います。 軌道に乗るまでの不安定な生活やハードな労働時間、借金の返済など・・・勤め人だった時には想像もつかないような、絶え間ないプレッシャーが待っています。
創業に対する家族の理解を得ることは当然のこと、創業してから、「こんなはずじゃなった」「雇われていた方が楽だった」なんて後悔をしないためにも、客観的な自己分析をすることが大切です。 「自分は本当に創業するべきなのか?」「心身の苦労に耐える覚悟はあるのか?」「創業者として足りない部分は無いのか?」などなど、あらゆる側面から何度も自問自答してください。
創業適正度チェックに便利!
活用ポイント
過大評価や過小評価にならないよう、可能な限り客観的に採点することが大切です。本音で話し合える友人や家族がいれば、採点結果を見てもらい、他人から見た視点とのギャップを認識することも必要です。
どんなに斬新なアイデアであっても市場動向やニーズとマッチしていなくては経営を継続させることはできません。また、それぞれの業界によってビジネスモデルや慣習が異なります。そのため、既に業務経験があり精通している業種・業界で創業することが望ましいと言われます。やむを得ず経験の無い業界で創業する場合や業界をまたがった新ビジネスを始める場合は、業界動向や消費者ニーズ、特徴について入念に調査研究することが求められます。調査のためには、インターネットや書籍等で情報収集する方法と、業界に携わる人や消費者と実際に会い情報収集をする方法の両方を実施する必要があります。
商品別売上動向分析に便利!
桐生商工会議所会員は無料でご利用いただけます!
POSデータ分析サービス
活用ポイント
全国のスーパー・コンビニ等の商品別売上ランキングやシェアの推移を知ることができます。伸びる市場と縮む市場を分析するのに役立ちます。
消費者ニーズの分析に便利!
活用ポイント
記入例は自社の既存商品の強み弱みを分析する際の例ですが、他社の既存商品を分析することで、他社製品の弱みからビジネスチャンスを探り出すことにも活用できます。
様々な店や商売が乱立し、消費者の目が肥えてきている現代では、他社と同じ事業を行っていても成功することは困難です。いかに自身の強みを活かし、ビジネスチャンスを捉え、差別化を図った事業を考えられるかが成功のカギになります。単純に「飲食業をしたい」「美容室を開業したい」というだけでなく、どのような客層をターゲットに、どのように他社と異なった商品・サービスを提供していくかを検討することが、創業において最重要ポイントです。まずは、お役立ちツールのSWOT分析シートで内部環境(強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)の整理を行い、その結果を基にクロスSWOT分析シートで事業アイデアを検討してみてください。
環境分析に便利!
活用ポイント
各項目をできるだけ沢山挙げることで、隠れたチャンスの発見に繋がります。明確になった強みは更に磨きをかけ、弱みは克服できるよう努めましょう。外部環境(機会・脅威)における消費者ニーズを探るうえでは、普段から不便に感じていることや、こうなったら良いのにと思うことを基に検討することで、消費者の潜在ニーズを炙り出すことができます。
事業アイデア検討に便利!
活用ポイント
「強み×機会」
・・・強みを活かしてチャンスを勝ち取るアイデア
「強み×脅威」
・・・強みを活かしてピンチをチャンスに変えるアイデア
「弱み×機会」
・・・弱みを補ってチャンスを勝ち取るアイデア
「弱み×脅威」
・・・弱みから最悪のシナリオを回避するアイデア
となります。「強み×機会」で炙り出した事業アイデアが最も優先すべきアイデアであり、創業におけるコア事業となり得ます。コア事業に関連のある範囲内で、その他のアイデアで補強していくことで、他社との差別化が高まります。
今後の経営の方向性となる事業コンセプト検討は、創業計画の上で最も重要な作業です。ステップ⑤で検討した事業アイデアを具体的に深掘りし、誰に対して、どんな商品・サービスを、どうやって、いくらぐらいで提供していくかを検討します。事業コンセプトが明確でないと、顧客から見て何を売りたいのかよくわからない店(事業所)になってしまい、他社との差別化を図ることが難しくなります。
コンセプト検討に便利!
活用ポイント
自社の最優良顧客となりえる「理想の顧客像(ペルソナ)」を具体的かつ詳細に想像し、その顧客の目線になって「商品・サービス」「価格」「販売チャネル」「販促活動」の4つの側面を検討することがポイントです。
小売業・サービス業のような店舗営業の場合は、立地条件がその後の売上に大きな影響を与えます。家賃や間取りだけでなく、その地域の通行量や人口、近くに学校や工場など大きな施設があるかどうか、その地域の人達がどのようなライフスタイルなのか等も調査する必要があります。取扱商品によって理想的な立地条件は異なるため、自社が想定する顧客ターゲットを見極めることが重要です。
活用ポイント
年齢別人口・所得別人口・貯蓄別人口・消費支出金額(630品目)・要介護支援者数・建物データ・法人電話帳データなど、様々なビッグデータを地図上で条件検索いたします。自社の理想的な立地条件を地図上で炙り出すことが可能です。
商圏分析に便利!
活用ポイント
上記の地図マーケティング分析サービスで得た情報に加え、商圏調査シートを使った実地調査を行うことで、より正確な商圏分析を行うことができます。
店舗物件診断に便利!
活用ポイント
物件を見ただけでは分からない、隠れた落とし穴がある可能性もあります。入居する前に 近隣の店舗や住民への聞込みなども併せて行う必要があります。
事業評価に便利!
活用ポイント
検討した事業と商圏分析の結果をもとに、自社の商売が成り立つかどうかを客観的に評価して下さい。懸念要素が残る場合は、ステップⅥに戻り再検討します。
※上記ファイルの出典元:J-Net21
どの程度の売上が見込め、それに対して費用がどのくらいかかり、どのくらいの利益が見込めるかを検討します。楽観的な計画にならないよう、売上は若干少なめに、費用は若干多めに見込んでおく必要があります。
数値計画策定に便利!
活用ポイント
売上予測は、過去の業務経験や近隣で同規模の同業他社の様子などを参考としつつ検討します。原価率や経費の想定は、上記リンクの「小企業の経営指標」が業界平均値として参考になるでしょう。ただし、単なる数字合わせとならないよう、想定通りの客数・客単価が見込めるか、想定通りの原価率で仕入れられるのか、想定通りの人員で回せるのか等をよく検討し、数値を見直してください。
開業時の設備資金や運転資金、軌道に乗るまでの生活費等をふまえ、どのくらいの資金が必要かを検討します。また、資金繰りが滞らないよう入金(売上・借入等)と出金(仕入・経費・設備投資・返済・生活費等)の予測を行う必要もあります。現金取引でない場合は、売掛金の回収サイトと買掛金の支払サイトを把握します。自己資金だけで開業費が賄えない場合は、どの金融機関から融資を受けるかも検討する必要があります。創業者向けの融資制度は、日本政策金融公庫の創業者向け融資か、県や市の創業者向け制度融資かのいずれかが一般的です。
資金計画策定に便利!
活用ポイント
開業時の運転資金は、売上がゼロだとしてもある程度運転できるよう、最低3ヶ月分程度を確保しておく必要があります。また、事業用の創業計画書には現れませんが、6ヶ月程度の生活費も別途確保しておく必要があります。なお、創業融資を受ける場合は、全体の必要金額のうち1/3以上は自己資金を用意することが望ましいです。
策定した損益計画や資金計画を実行するためには、実際にどういう活動を行えばよいかのスケジュールを検討する必要があります。各種手続き申請や、工事や設備購入、売上目標を達成するためのPR活動等、細かい事項も漏れないようにピックアップしてください。
行動計画策定に便利!
活用ポイント
創業してから軌道に乗るまでには時間がかかります。十分な顧客を獲得する前に資金が尽きて廃業ということも少なくありません。創業後すぐに顧客を獲得できるよう、創業前からどれだけ見込み客を確保しておけるかがポイントです。
これまで検討してきた全ての計画をもとに、右記の創業計画書フォームに簡潔にまとめて創業計画書の完成です。創業計画書に加えて上記で作成した各種シートも補足資料とすることで、金融機関への創業融資申込の際の重要な資料となります。あとは、計画書の目標を達成するために突き進んでいくのみです!
創業計画書作成に便利!
活用ポイント
創業計画書は、あくまでも創業時点での想定目標に過ぎません。実際に事業を進めていくと、計画通りにいかないことも出てきます。その際は、もう一度前のステップに立ち返り、現実を踏まえた事業計画を練り直してください。それを繰り返していくうちに、徐々に正確な将来予測の感覚が身に付くはずです。