桐生商工会議所 会員事業所からの発信
焼きまんじゅう一筋に 【前沢屋 焼饅頭店】
群馬県の郷土食として親しまれ、桐生の名物としても食されている「焼まんじゅう」。蒸して作った饅頭を竹串に刺し、濃厚な味噌ダレをたっぷり塗って火に掛けると、こうばしい匂いが立ち込め食欲をそそられる。
今回紹介するのは、東二丁目にある「前沢屋」。
昭和五年に先々代の大木音次郎氏が渋川の前澤屋より暖簾分けして宮本町で開業した。昭和四十九年より三代目の大木光宏氏(写真)が代表を務め、同五十七年に現在の場所に移転した。
焼きたての温かいうちは軟らかいため食べやすいが、冷めると水分が抜けてしまい固くなる。このため、お土産用の真空パックセットとして自宅で焼く形でも販売している。最近では、レンジで温めるだけで焼きたての味が楽しめる冷凍焼まんじゅうも開発し、インターネットでの販売を始め評判となっている。
また、市内外のイベントなどで人気を集めているのが、シトロエンHトラックによる移動販売。レトロなクラシックカーから香る懐かしい匂いに誘われて長蛇の列が出来ている。
饅頭に味噌ダレを塗って焼くというシンプルな食べものだが、温かい優しさを感じるのは、上州の風土が育んだ「故郷の味」だからなのかもしれない。