桐生商工会議所　会員事業所からの発信

“ものづくりのまち”の楽器職人 【伊藤丈晃ヴァイオリン工房】

2007年に桐生で独立開業したヴァイオリン職人の伊藤丈晃さんは、市内で拠点を移しながら活動し、2018年からは本町四丁目の「あーとほーる鉾座」の一角に工房を構えている。

伊藤さんの工房では、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスなど、弦楽器の製作や修理・調整などのメンテナンスを行う。職人としてのキャリアは15年を超え、伊藤さんを頼って市外から訪れるお客さんもいるという。また、弦楽器をこれから始めたい人には、その「やりたい気持ち」を優しく後押ししレベルを問わず演奏者に寄り添ってくれる。

バンドや高校オーケストラ部での活動を通じて、常に音楽のある生活を過ごしてきた伊藤さん。大学に進学するも、20歳の時に中退しヴァイオリン工房に弟子入りした。「将来を考えた時、『音楽』と『ものづくり』しか残りませんでした」と笑顔を見せるが、間違いなく「好き」を仕事にするための一大決心だったはずだ。

職人としての強い意思を持ちながら、穏やかな人柄で周囲の人々から支持される伊藤さん。ものづくりのまち・桐生の裾野を広げる伊藤さんのヴァイオリンは、心地よい音色に違いない。