桐生商工会議所　会員事業所からの発信

良い道具をいつまでも 【料理道具の谷】

堤町二丁目にある料理道具の専門店「谷」。営業中と書かれた直径一メートル近い巨大なフライパンがお店の入口で迎えてくれる。店内には一万点以上の料理道具が並び、プロの方には厨房機器や専門的な道具を、一方主婦層には日々の料理をより楽しく快適にする道具を提案する、まさに「桐生のかっぱ橋」である。

店主は三代目を継ぐ谷幸男さん。若い頃に大阪にある千日前道具屋筋商店街で修業し、料理道具のいろはを学んだ。「道具の構造が解っていなければ、お客さんに合った商品をお薦めできない」と語る。豊富な経験と知識があるからこそ、さまざまな修理、メンテナンスにも対応できる。

創業は、昭和二十六年。幸男さんの祖父は、そば用の竹すだれの職人として東京で活躍したが、戦争で店を失い、実家のあった桐生に戻り工場を再建、すだれの製造販売を始めた。その後を継いだのが二代目の谷道雄さん。東京のかっぱ橋に品物を卸しに通っていた時、桐生には料理道具の専門店が無いことに気付いた。徐々に取り扱う道具の種類が増えて行き、いつしか何でも揃う店になっていったそうだ。

「インターネットを活用し全国的に商売したいが、まずは地域のお客さんを大切にしていきたい」と幸男さん。
格安ショップや量販店には無い「信頼」が谷にはある。