桐生商工会議所 会員事業所からの発信

古きを温ねて新しきを知る 【意匠荻野】

意匠荻野

・住所:桐生市境野町4-856-1
・電話:0277-44-7836
・HP:http://www.asobi.ecnet.jp/

意匠荻野

意匠荻野では、一九三〇年の創業以来、織物の紋様を描く紋意匠業を代々営み、現在は工藤房利氏が引き継いでいる。

織物の柄は、タテ糸とヨコ糸の色と織りの組合せによって産み出されるが、その組合せを考えるのが紋意匠職人である。その作業には優れた描写技術が要求され、いわば織物のデザイナー的な一面も持ち合わせている。

現在、桐生市内には約十社の紋意匠業者が存在している。高齢化の波の中、数名の若手職人も技の磨きに切磋琢磨しているが、三九歳の工藤氏はその中でも最年少の紋意匠職人である。十五年程前にこの業界へ入って以来、日々の仕事を通して修行を重ねるごとに、織物の奥の深さと素晴らしさを痛感しているという。

従来の紋意匠図は、方眼紙のマス目一つ一つを手作業で塗りつぶして作成していたが、現在はコンピューターを使った作業が主流となっている。

工藤氏は以前の引き合いで、海外の顧客へ紋意匠データを納入した経験があり、いずれは桐生の伝統技術の素晴らしさを海外の人にも多く知ってもらえるようになればと考えている。

伝統ある桐生の意匠職人の技と魂は、時代とともにその形を変化させながらも、現在へ脈絡と引き継がれている。