桐生商工会議所　会員事業所からの発信

父の思いを受継いで　【ベルタイム】

錦町桐信本店のすぐ近くにあるコーヒー＆フーズ「ベルタイム」。真っ赤なサンシェードが目印。店内にはコーヒーはもちろん、レトルトカレーやパスタソース、缶詰などのこだわり食品も並ぶ。

創業は昭和五十年、現オーナー玉川正広さん（写真）の父が錦桜橋のたもとで始めたのがスタート。その後、区画整理により現在の場所に移転し営業を続けた。正広さんは、写真家だった父親の「やりたいことをやれ」という言葉通り、学生時代は芸術の世界に身を置き、主に絵画を学んだ。桐生に戻り店に入ったのは今から八年前、現在は姉と二人で店を切り盛りしている。

「コーヒー豆を挽くのと絵を描くときの感覚が似ている」と正広さん。豆を焼くときの濃度の加減や、数種類の豆をブレンドする作業が、パレットの上で絵具を交ぜ合わせる色彩感覚に通じるそうだ。

店の奥には、ドイツ製で一度に十二キロまで挽くことのできる焙煎機と豆の選別機が並ぶ。この選別機はパールを選別するための機械をコーヒー豆用に改良したもので、創業当時から非常にめずらしく遠方から見学に訪れる人も多かった。豆の選別は手間のかかる工程だが、一粒一粒にもこだわった父の思いをしっかりと受け継いでいる。