桐生商工会議所　会員事業所からの発信

「安心」を創造する力　【株式会社エィアンドエィティー】

環境分野のビジネスを展開する(株)エィアンドエィティー（山口正夫ＣＥＯ）は、世界初となるポータブル型の逆浸透膜浄水器『レスキューアクア９１１』を製造、販売する。一般的な浄水器では不可能なナノサイズの細菌・ウィルスを取り除く逆浸透膜浄水システムを採用し、川や海の水を飲料水へと濾過できる上、重さは七キロ程度で一日当たり約六百リットル浄水可能、水の確保が最重要課題である災害現場においてその能力を発揮する。

山口晃史開発営業部長は、新潟県中越地震の際、現地へ水を届けた経験から、災害時の水の重要性、そして運搬の困難を人一倍知る。同製品はＰＫＯの備蓄物資七品目にも選定され、機能性の高さが実証されており、今年一月に発生したハイチ大地震の時も現地で活躍した。

また、最近は水の分野に留まらず、災害時のエレベーター内のトラブルを想定した『エレベーターチェア』を開発。通常はエレベーター内優先席として、災害時には飲料水など非常用品を備蓄する収納ボックス、さらには緊急用トイレとしても利用できる。国の中央防災会議では、首都圏直下の大地震が発生した場合、約一万二千五百人がエレベーター内に閉じ込められると想定されており、東京都内では、設置を条例で定めている地域もあり、今後の需要が期待できる。

二十一世紀は環境の世紀と言われる。エィアンドエィティーの創造力と、母体となっている(株)トヨダプロダクツの蓄積された技術力との融合により、新しいビジネスモデルを構築する。