桐生商工会議所　会員事業所からの発信

挑戦し続けて　【西工業(株)】

西工業株式会社（西貞造代表取締役社長）は、液晶ディスプレイに欠かすことのできない偏光板を一貫生産できる偏光板製造装置のトップメーカーとして、その国内外シェアをほぼ独占している。

液晶ディスプレイで使用される偏光板は、ポリ・ビニール・アルコール（ＰＶＡ）を主体にヨウ素化合物分子を吸着配向させて作る。実際の製品では、補強のために何層かの層によって保護され、各層は接着剤で張り合わせられる。ある程度の厚みが求められるが、軽量化のために薄くする必要もあり、メーカーが求める極めて薄く均一な膜を高精度に製造する装置は、同社製のものしか見当たらないとして、国内外から注文を受け、特に韓国や台湾からの受注が多い。

西工業は、昭和五十九年に設立され、十年以上に渡りニット染色機械等の繊維関連機械を製造していた。その時に培った「シワなく、ムラなく染色する」技術をフィルム加工に応用し、現在では先端産業機械の製造へと見事に業種転換した。

「時代の変化に乗り遅れないためには、常に新しいアイデアを考えることが大切」と西社長。最近では、銅箔製造装置やＰＩフィルム製膜装置といった分野にもその技術を活かし、全社一丸となって挑戦を続けている。