桐生商工会議所　会員事業所からの発信

全国に誇る　独自技術 【富士計器製造株式会社】

富士計器製造株式会社は、全国でも数少ないバネ式ハカリの製造技術を有する会社である。

その昔は、東京で飛行機メーターの製造業を営んでいたが、戦時中、群馬に疎開し、昭和二十五年に桐生市浜松町で会社を設立、昭和四十年に現在の場所に移転した。

従来の上皿バネ式指示ハカリは、構造上本体上部から、水やゴミ等が入りやすく故障の原因になっていたが、この欠点を解消する新機構を開発し、工業技術院計量研究所（現独立行政法人産業技術総合研究所）の行うテストをクリアし、取引証明用計量器として製造が認められた。

また、その優れた品質管理能力が認められ、経済産業大臣から機械式ハカリにおいて、日本で第一号の「指定製造事業者」に認定された。

現在、その国内シェアは五十％を誇り、月平均五千台を製造し、国内の大手量販店や、広くフィリピンやシンガポール等の東南アジアに輸出している。

身近な商店、学校や病院、給食センター等、ありとあらゆる分野で活躍している。「デジタル計量器が主流になりつつあるが、昔ながらの商店はバネ式ハカリにこだわる。デジタルに負けない良さを今後も自信をもって提供していきたい」と金子社長は語る。変わらぬ思いと確かな技術が、今日も他には真似できないハカリを造っている。