ノコギリ屋根工場群の活用を
平成16年度都市再生モデル調査報告書まとまる
桐生の産業が生み出した独自の風景を生み出しているノコギリ屋根工場 まとまった都市再生調査報告書

ファッションタウン桐生推進協議会(会長・佐藤富三桐生商工会議所会頭)は、昨年度、全国都市再生モデル調査事業として実施した「ノコギリ屋根工場群の活用による都市再生モデル調査報告書」をまとめた。
 日本有数の繊維産地・桐生には、明治から昭和にかけてノコギリ屋根の織物工場が盛んに建てられた。日本の近代化を支えた建物群であり、産業が創出した独自の風景を形成している貴重な産業資源として桐生商工会議所とファッションタウン桐生推進協議会は平成14年に「ノコギリ屋根シンポジウム」を開催するなど、建物の保存・継承・活用に向けての活動を展開してきた。

 このため、内閣官房都市再生本部が平成16年度に公募した都市再生モデル調査に応募。全国から566件の応募があり、都市再生本部では162件を選定、ノコギリ屋根の調査もその対象として認定された。調査事業の推進に当たっては、協議会の中に専門委員会(委員長・星和彦前橋工科大学助教授、委員12人)を組織化、ノコギリ屋根工場の活用を切り口にして都市再生への検討を行ったほか、シンポジウムを開いたときに作成した268棟のノコギリ屋根工場リストを基に全件調査を行った。

 調査は前橋工科大学、桐生工業高等学校の学生たちが調査部会を組織し、昨年の11月から12月にかけて工場の存在の確認や操業の有無、現在の使用形態や活用例などを調査した。この結果、268棟の中で237棟が残っていることが確認され、今回の調査に付随して発見された4棟のノコギリ屋根工場と合わせて241棟があることが分かった。

 ヒアリング調査が出来た190棟のうち、当初のまま織物業で使われている工場が24.7、倉庫としての使用が23.7%、その他の利用が49.5%だった。
 しかし、「その他の利用」の中には当初のままの織物業ではないものの繊維関係の工場や機械関係の工場として使われているものが38棟あり、工場として生産活動を行っているノコギリ屋根が44.7%を占めた。また、博物館や共同アトリエ、美容院や飲食店など北側採光の独自の構造と特徴を生かした活用例が増えていることも報告された。
 一方、所有者の74.2%が「このまま残したい」と思っていることが分かり、「壊したい」と思っているのはわずか4.7%だった。

 すべて木造建築物のため、老朽化や建築関連法規上の規制など多くの問題点を抱えているものの、「活用に向けての環境は整っている」と見て、専門委員会では、「ノコギリ屋根工場の認識度を高める」ために多くの提言を行っている。
桐生の都市再生につながる活用法については、@文化・芸術活動の創造の場としての活用A地場産業の技術伝承の新たな苗床としての活用B産業観光の核としての活用―の三つを提言。このために、所有者、関係者が情報交換を行える場としての「桐生ノコギリ屋根連絡協議会(仮称)」の立ち上げを急ぐこととしている。

 

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