2004わがまち風景賞

大川美術館

所在地:桐生市小曾根町3-69
理事長兼館長:大川榮二氏

 財団法人大川美術館は、桐生市出身の大川榮二氏が約40年にわたって収集した日本・海外の作家のコレクションを中心に、桐生市の支援を得て、平成元年に市内を一望できる水道山の中腹に開館した。
 現在、日本近代洋画を中心に約6,500点を数える収蔵作品は、日本の美術史に大きな足跡を残す松本竣介(1912〜48年)・野田英夫(1908〜39年)の日本最大のコレクションと、二人を軸に、彼らと人間的なつながりのあった画家の作品を中心としている。
 水道山の斜面に建つ純白の建物は、周囲の緑に映え、美術館の小窓からは桐生市街地の風景が広がる。階段状に展開する変化に富んだ展示室と明るい休憩室、開放された庭園が収蔵作品とともに来館者を温かく迎えてくれる。
 企業の社員寮を改修したものであることはあまり知られていないが、自然と拮抗することなくひっそりと建つ美術館は、訪れる人たちに心の風景を刻み込んでいるようである。

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